おいらーくブログ

 

このレポートは、豊生会フォーラムの実践報告として投稿されたものなのですが、内容の素晴らしさに

掲載せずにはいられなく・・・許してください。

 

食事についての取り組み

                     うらら伏古 管理栄養士 ○○ 歩

うらら伏古では、普段の食事に加え、お正月、バレンタインデー、雛祭り、子供の日などの行事食に加え、リクエストメニューを行っています。

 入居者様の年齢順に食べたい物を伺い、毎月25日の夕食に提供しています。握り寿司、海鮮丼、ちらし寿司、茶碗蒸しなどのメニューが人気です。毎月、リクエストして頂いた入居者様の食事風景を撮影させて頂き、イラストやコメントと共にプリントを作成し、掲示させて頂いています。掲示後は、ラミネート加工をしてご本人にプレゼントしています。

 入居者様はお寿司が好きな方が多く、そして毎週水曜日にはワンデイどんぐりというレクの中で魚釣りゲームを行っているという事から、この二つを合わせたお楽しみメニューも実施しました。午前中の魚釣りゲームで好きなネタを釣って頂き、そのお寿司を夕食に提供しました。魚釣りゲームの段階から、いつもとは違った雰囲気で楽しんでいる様子で、夕食時には目の前でお寿司の実演も行い、行事食らしく行えたように思います。

 ここからは、個人のお話になるのですが、パンが大好きなある入居者様についてのお話です。こちらの方は、昼食はバターロールにイチゴジャムが主食で、3時のおやつもパンでした。介護士さんに「何が食べたいですか?」と聞かれて、「パン」と即答するほどパンが大好きです。しかし、一度入院してうららに戻って来た時には、ほとんど食事は摂れず、すぐに食止めになってしまい、口にするのはゼリーばかりになってしまいました。「いつも甘い物ばかりだと飽きてしまうから、味噌汁の上澄みを差し上げたら表情が緩んだ。」というホーム長の言葉を聞いて、私も何か出来ないかと考えました。「大好きなパンを食べて頂きたい。」と考え、パン粥を作ろうと決めました。入居者様が好きな味の再現をしたく、おやつのパンを少し頂き作り始めました。食べやすくするため、表面の硬い部分は取り除き、食べた時に重たくならないように中のクリームも取り除きました。しかし、お湯で煮るだけだと味が薄く美味しくないため、コーヒー用の粉ミルクを少し加えました。味見をしてみるとパンの味がして、とろみも程良くついたので完成です。介護士さんがゼリーを食べさせる時にお願いして、パン粥も食べて頂きました。最初の一口で、入居者様の表情が柔らかくなりました。「美味しいですか?パンの味はしますか?」という介護士さんの問いかけに、静かに頷かれました。パン粥は全部で3口程しか召し上がりませんでしたが、少しでも口から摂取出来た事、大好きなパンの味を感じて頂けた事が本当に嬉しかったです。

 これからも、様々な場面に遭遇する事があるかと思いますが、食に関して出来る事を見つけ、入居者様に良い時間を過ごして頂きたいと思います。

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